平成24年度の有害物質のモニタリング検査結果について
1 かび毒
有害物質の指導基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノンを始めとする20成分について、配混合飼料及び27種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
1) アフラトキシンB1
配合飼料は247点実施し、最大値はブロイラー肥育前期用配合飼料で0.008 mg/kgであり、基準値(幼令期用及び乳用牛用0.01 mg/kg、その他の家畜等用0.02 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は216点実施し、とうもろこし及びその副産原料、大麦、ふすま、大豆副産原料、パイナップルかす、やし油かすから検出されており、各原料の最大値はとうもろこし(0.024 mg/kg、米国産)、大麦(0.0006 mg/kg、カナダ産)、コーングルテンミール(0.006 mg/kg、国産)、コーングルテンフィード(0.004 mg/kg、国産)、ふすま(0.0008 mg/kg、スリランカ産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(0.002 mg/kg、米国産)、DDGS(0.003 mg/kg、米国産)、大豆皮(0.0008 mg/kg、国産)、大豆油かす(0.001 mg/kg、インド産)、パイナップルかす(0.001 mg/kg、フィリピン産)、やし油かす(0.048 mg/kg、インドネシア産)であった。
2) デオキシニバレノール
配合飼料は247点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.57 mg/kgであり、基準値(生後3ヶ月以上の牛用4 mg/kg、その他の家畜等用1 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は211点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、パイナップルかすから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.53 mg/kg、ウクライナ産)、末粉(0.19 mg/kg、国産)、米ぬか(0.21 mg/kg、国産)、コーングルテンフィード(2.9 mg/kg、国産)、コーングルテンミール(0.69 mg/kg、国産)、ふすま(1.0 mg/kg、国産)、パイナップルかす(0.36 mg/kg、フィリピン産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(2.1 mg/kg、米国産)、DDGS(3.8 mg/kg、米国産)、小麦(0.23 mg/kg、カナダ産)、麦ぬか(0.38 mg/kg、国産)であった。
3) ゼアラレノン
配合飼料は247点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.98 mg/kgであり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は211点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、大豆副産原料、なたね油かす、米ぬか油かす、パイナップルかすから検出されており、最大値は、コーングルテンミール(24 mg/kg、国産)であった。
2 重金属
有害物質の指導基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料及び魚粉等点のモニタリングを実施した。
1) カドミウム
配合飼料は149点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.29 mg/kgであり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等34点実施し、最大値は魚粉の1.9 mg/kg(国産)であり、基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
2) 鉛
配合飼料は149点実施し、最大値は成鶏飼育用の1.6 mg/kgであり、基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等34点実施し、最大値は魚粉の1.6 mg/kg(国産)であり、基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。
3) ひ素
配合飼料は15点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.23 mg/kgであり、基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は稲わら2点実施し、最大は6.0 mg/kgであり、基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。
4) 水銀
配合飼料は149点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.22 mg/kgであり、基準値0.4 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等34点実施し、最大値は魚粉の0.93 mg/kg(国産)であり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
3 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む143成分についてモニタリングを実施した。
そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。基準値を超えたものはなかった。基準が設定されていない成分についても家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
配合飼料は130成分について実施し、検出された農薬は9成分105点であった。成分別の検出数(最大値)は、ピリミホスメチル48点(420 μg/kg)、クロルピリホスメチル33点(240 μg/kg)、マラチオン15点(86 μg/kg)、クロルピリホス2点(36 μg/kg)、フェニトロチオン2点(290 μg/kg)、クロルプロファム1点(31 μg/kg)、ジフェノコナゾール2点(25 μg/kg)、フェンブコナゾール1点(26 μg/kg)プロパルギット1点(86 μg/kg)、であった。
原料は136成分について実施し、検出された農薬は13成分51点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、マラチオン18点(ふすま、国産、260 μg/kg)、クロルピリホスメチル12点(ふすま、国産、450 μg/kg)、ピリミホスメチル6点(とうもろこし、ブラジル産、480 μg/kg)、クロルピリホス4点(アルファルファ、米国産、660 μg/kg)、プロピコナゾール3点(ライグラス、米国産、2,000 μg/kg)、カズサホス1点(オーツヘイ、オーストラリア産、23 μg/kg)、シハロトリン1点(アルファルファ、米国産、380 μg/kg)、テブコナゾール1点(オーツヘイ、オーストラリア、460 μg/kg)、トリフルラリン1点(アルファルファ、米国産、150 μg/kg)、フェニトロチオン1点(麦ぬか、オーストラリア産、51 μg/kg)、フルトラニル1点(アルファルファ、米国産、43 μg/kg)、ペンディメタリン1点(アルファルファ、米国産、22 μg/kg)、メトミノストロビン1点(脱脂ぬか、国産、22 μg/kg)であった。
4 その他
1) 硝酸態窒素
乾牧草についてスーダングラス13点、アルファルファ9点の22点のモニタリングを実施した。最大値はスーダングラス(米国産)で1,300 mg/kg、アルファルファ(米国産)で690 mg/kgであった。
2) メラミン
配合飼料13点及び魚粉16点実施し、検出されたものはなかった。
注
各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。