平成26年度の有害物質のモニタリング検査結果について(4月~3月)
1 かび毒
有害物質の指導基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノンを始めとする26成分について、配混合飼料及び33種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
1) アフラトキシンB1
配合飼料は221点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料で0.004 mg/kgであり、基準値(幼令期用及び乳用牛用0.01 mg/kg、その他の家畜等用0.02 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は228点実施し、とうもろこし及びその副産原料、大豆皮、大豆油かす、やし油かす、りんごジュースかす、グア豆ミールから検出されており、各原料の最大値はとうもろこし(0.014 mg/kg、米国産)、コーンジャムミール(0.001 mg/kg、国産)、コーングルテンフィード(0.003 mg/kg、国産)、コーングルテンミール(0.001 mg/kg、米国産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(0.0007 mg/kg、米国産)、ホミニーフィード(0.009 mg/kg、国産)、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(0.001 mg/kg、米国産)、大豆皮(0.0006 mg/kg、中国産)、大豆油かす(0.0008 mg/kg、中国産)、やし油かす(0.016 mg/kg、インドネシア産)、りんごジュースかす(0.002 mg/kg、中国産)、グア豆ミール(0.005 mg/kg、インド)であった。
2) デオキシニバレノール
配合飼料は215点実施し、最大値は肉用牛肥育用配合飼料で0.75 mg/kgであり、基準値(生後3ヶ月以上の牛用4 mg/kg、その他の家畜等用1 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は228点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、マイロ、米ぬか油かす、大豆油かす、酒粕から検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.57 mg/kg、米国産)、マイロ(0.18 mg/kg、米国産)、小麦(1.2 mg/kg、カナダ産)、大麦(0.032 mg/kg、ロシア産)、米ぬか油かす(0.9 mg/kg、国産)、コーンジャムミール(1.3 mg/kg、国産)、コーングルテンフィード(7 mg/kg、中国産)、コーングルテンミール(0.36 mg/kg、中国産)、ふすま(0.94 mg/kg、国産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(0.71 mg/kg、米国産)、ホミニーフィード(0.58 mg/kg、国産)、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(1.7 mg/kg、米国産)、大豆油かす(0.097 mg/kg、米国産)、酒粕(0.024 mg/kg、国産)であった。
3) ゼアラレノン
配合飼料は215点実施し、最大値は乳用牛飼育用配合飼料で0.1 mg/kgであり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は228点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、マイロ、米ぬか油かす、大豆皮、ビールかす、醤油かす、菓子くず、なたね油かす、大豆油かす、ごま油かす、りんごジュースかす、ビートパルプ、きなこ、グア豆ミール、酒粕から検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.22 mg/kg、米国産)、マイロ(0.32 mg/kg、米国産)、小麦(0.003 mg/kg、カナダ産)、大麦(0.002 mg/kg、ロシア産)、米ぬか油かす(0.033 mg/kg,国産)、コーンジャムミール(0.049 mg/kg、国産)、コーングルテンフィード(0.54 mg/kg、中国産)、コーングルテンミール(0.93 mg/kg、中国産)、ふすま(0.01 mg/kg、国産)、大豆皮(0.075 mg/kg、中国産)、ビールかす(0.006 mg/kg、国産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(0.082 mg/kg、米国産)、醤油かす(0.009mg/kg、国産)、菓子くず(0.017 mg/kg、国産)、ホミニーフィード(0.061 mg/kg、国産)、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(0.084 mg/kg、米国産)、なたね油かす(0.016 mg/kg、国産)、大豆油かす(0.008 mg/kg、中国産)、ごま油かす(0.001mg/kg、国産)、りんごジュースかす(0.057 mg/kg、中国産)、ビートパルプ(0.1 mg/kg、チリ産)、きなこ(0.012 mg/kg、国産)、グア豆ミール(0.022 mg/kg、インド産)、酒粕(0.007 mg/kg、国産)であった。
2 重金属
有害物質の指導基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料及び魚粉等点のモニタリングを実施した。
1) カドミウム
配合飼料は144点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.28 mg/kgであり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の1.9 mg/kg(国産)であり、基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
2) 鉛
配合飼料は144点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.6 mg/kgであり、基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の4.4 mg/kg(国産)であり、基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。
3) ひ素
配合飼料は29点実施し、最大値は大すう育成用配合飼料の0.47 mg/kgであり、基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等27点実施し、最大値は魚粉の8.4 mg/kg(国産)であり、基準値15 mg/kgを超えるものはなかった。
4) 水銀
配合飼料は144点実施し、最大値はほ乳期子豚育成用配合飼料の0.09 mg/kgであり、基準値0.4 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の0.85 mg/kg(国産)であり、基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
3 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む138成分についてモニタリングを実施した。
そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。基準値を超えたものはなかった。基準が設定されていない成分についても家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
配合飼料は130成分について実施し、検出された農薬は8成分59点であった。成分別の検出数(最大値)は、ピリミホスメチル29点(500 μg/kg)、クロルピリホスメチル20点(330 μg/kg)、マラチオン4点(68 μg/kg)、ビフェントリン2点(27 μg/kg)、クロルプロファム1点(34 μg/kg)、シハロトリン1点(32 μg/kg)、フェニトロチオン1点(66 μg/kg)、プロペタンホス1点(20 μg/kg)であった。
原料は131成分について実施し、検出された農薬は20成分50点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、クロルピリホスメチル11点(なたね油かす、国産、100 μg/kg)、ピリミホスメチル7点(とうもろこし、ブラジル産、720 μg/kg)、マラチオン6点(ふすま、国産、110 μg/kg)、テブコナゾール4点(オーツヘイ、オーストラリア産、660 μg/kg)、アトラジン2点(スーダングラス、米国産、72 μg/kg)、グルホシネート2点(とうもろこし、米国産、49 μg/kg)、ジメピペレート2点(オーツヘイ、オーストラリア産、39 μg/kg)、デルタメトリン及びトラロメトリン2点(マイロ、国産、130 μg/kg)、ビフェントリン2点(チモシー、カナダ産、56 μg/kg)、メトラクロール2点(オーツヘイ、オーストラリア産、46 μg/kg)、クロルピリホス1点(とうもろこし、ブラジル産、55 μg/kg)、シハロトリン1点(スーダングラス、米国産、380 μg/kg)、ジフェノコナゾール1点(ビートパルプ、チリ産、30 μg/kg)、トリフルラリン1点(ウィートヘイ、オーストラリア産、28 μg/kg)、フェニトロチオン1点(菓子くず、国産、22 μg/kg)、フェンブコナゾール1点(スーダングラス、米国産、32 μg/kg)、プロシミドン1点(オーツヘイ、オーストラリア産、20 μg/kg)、プロパルギット1点(チモシー、米国産、120 μg/kg)、プロピコナゾール1点(大麦わら、オーストラリア産、310 μg/kg)、プロペタンホス1点(菓子くず、国産、250 μg/kg)であった。
4 その他
1) 硝酸態窒素
乾牧草についてスーダングラス7点、アルファルファ6点の13点のモニタリングを実施した。最大値はスーダングラス(米国産)で1100 mg/kg、アルファルファ(米国産)で830 mg/kgであった。
2) メラミン
配合飼料16点、魚粉16点実施し、最大値はあゆ育成用配合飼料で0.08 mg/kg、魚粉(国産)で2 mg/kgで、基準値 2.5 mg/kg を超えるものはなかった。
注
各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。
なお、成分ごとの検査件数、検出件数、最大値、平均値につきましては、こちらをご覧ください。
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/info/sub2.html