Ｒ３年４月～Ｒ４年３月の有害物質のモニタリング検査結果について（速報）
１ かび毒
有害物質の指導基準又は管理基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノン、フモニシンを始めとする24成分について、配混合飼料及び24種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
１） アフラトキシンB1
配合飼料は103点実施し、最大値は若令牛育成用配合飼料0.003 mg/kgであり、指導基準値（搾乳の用に供する牛、めん羊及び山羊に給与される配合飼料0.01 mg/kg）及び管理基準値（反すう動物（ほ乳期のものを除く。牛、めん羊及び山羊にあっては、搾乳の用に供するものを除く。）、豚（ほ乳期のものを除く。）、鶏（幼すう及びブロイラー前期のものを除く。）及びうずらに給与される配合飼料0.02 mg/kg、反すう動物（ほ乳期のものに限る。）、豚（ほ乳期のものに限る。）及び鶏（幼すう及びブロイラー前期のものに限る。）に給与される配合飼料0.01 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は86点実施し、とうもろこしから検出されており、最大値は、とうもろこし（0.01 mg/kg、米国産）であった。
２） デオキシニバレノール
配合飼料は103点実施し、最大値は肉牛繁殖用配合飼料1.5 mg/kgであり、管理基準値（反すう動物（ほ乳期のものを除く。）に給与される配合飼料3 mg/kg、家畜（反すう動物（ほ乳期のものを除く。）を除く。）及び家きんに給与される飼料1 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は138点実施し、主にとうもろこし及びその副産原料、米ぬか、ふすまから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし（1.2 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（5.8 mg/kg、中国産）、とうもろこしジスチラーズグレイン（4.1 mg/kg、米国産）、コーンジャムミール（3.4 mg/kg、国産）、ホミニーフィード（1.6 mg/kg、国産、米国産）とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル（3 mg/kg、米国産）、米ぬか（0.028 mg/kg、国産）、ふすま（0.37 mg/kg、国産）であった。
３） ゼアラレノン
配合飼料は103点実施し、最大値は肉牛繁殖用配合飼料で0.17 mg/kgであり、管理基準値（家畜及び家きんに給与される配合飼料0.5 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は113点実施し、主にとうもろこし及びその副産原料、脱脂ぬか、大豆油かすから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし（0.14 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（0.74 mg/kg、中国産）、コーングルテンミール（2.5 mg/kg、米国産）、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル（0.33 mg/kg、米国産）、脱脂ぬか（0.012 mg/kg、国産）、大豆油かす（0.004 mg/kg、国産、中国産）であった。
４） フモニシン（B1+B2+B3）
配合飼料は102点実施し、最大値は肉用牛肥育用配合飼料で1.6 mg/kgであり、管理基準値（家畜及び家きんに給与される配合飼料4 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は65点実施し、とうもろこし及びその副産原料から検出されており、それらの最大値は、とうもろこし（3.5 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（0.68 mg/kg、国産）、コーングルテンミール（1.4 mg/kg、米国産、中国産）であった。
２ 重金属
有害物質の管理基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料及び乾牧草等のモニタリングを実施した。
１） カドミウム
配合飼料は26点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.26 mg/kgであり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は乾牧草等15点実施し、最大値は魚粉の1.8 mg/kg（国産）であり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
２） 鉛
配合飼料は26点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.5 mg/kgであり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は乾牧草等15点実施し、最大値は魚粉の0.9 mg/kg（国産）であり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
３） ひ素
配合飼料は26点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.83 mg/kgであり、管理基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は乾牧草等15点実施し、最大値は魚粉の7.9 mg/kg（国産）であり、管理基準値15 mg/kgを超えるものはなかった。
４） 水銀
配合飼料は26点実施し、最大値は子豚育成用配合飼料の0.05 mg/kgであり、管理基準値0.4 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は乾牧草等15点実施し、最大値は魚粉の0.81 mg/kg（国産）であり、管理基準値1mg/kgを超えるものはなかった。
３ 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む123成分についてモニタリングを実施した。そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
アルゼンチン産とうもろこしからシハトロリンが基準を超えて検出された。基準が設定されていない成分については家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
配合飼料は122成分について実施し、検出された農薬は6成分17点であった。成分別の検出数（最大値）は、ピリミホスメチル6点（420 μg/kg）、マラチオン4点（340 μg/kg）、デルタメトリン及びテトラメトリン2点（32 μg/kg）、フェニトロチオン2点（40 μg/kg）、ペルメトリン2点（56 μg/kg）、シハトロリン1点（290 μg/kg）であった。
原料は123成分について実施し、検出された農薬は12成分36点であった。成分別の検出数（種類、産地、最大値）は、グリホサート8点（オーツヘイ、豪州産、7,880 μg/kg）、ピリミホスメチル7点（とうもろこし、アルゼンチン産、1,100 μg/kg）、マラチオン6点（とうもろこし、アルゼンチン産、560 μg/kg）、クロルピリホス3点（ライグラス、米国産、2300 μg/kg）、クロルピリミホスメチル2点（とうもろこし、アルゼンチン産、51 μg/kg）、プロピコナゾール2点（ライグラス、米国産、15,000 μg/kg）、シハロトリン2点（とうもろこし、アルゼンチン産、69 μg/kg（省令基準違反））、デルタメトリン及びトラロメトリン2点（とうもろこし、アルゼンチン産、97 μg/kg）、プロパルギット1点（ライグラス、米国産、92 μg/kg）、ペルメトリン1点（とうもろこし、南アフリカ産、22 μg/kg）、フェニトロチオン1点（とうもろこし、ブラジル産、80 μg/kg）、メトミノストロビン1点（オーツヘイ、豪州産、36 μg/kg）であった。
注
各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。
なお、成分ごとの検査件数、検出件数、最大値、平均値につきましては、こちらをご覧ください。
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/info/sub2.html
