R6年4月~R6年10月の有害物質のモニタリング検査結果について(速報)
1 かび毒
有害物質の指導基準又は管理基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノン、フモニシンを始めとする24成分について、配混合飼料及び18種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
1) アフラトキシンB1
配合飼料は37点実施し、最大値は乳用牛飼育用配合飼料0.002 mg/kgであり、指導基準値(搾乳の用に供する牛、めん羊及び山羊に給与される配合飼料0.01 mg/kg)及び管理基準値(反すう動物(ほ乳期のものを除く。牛、めん羊及び山羊にあっては、搾乳の用に供するものを除く。)、豚(ほ乳期のものを除く。)、鶏(幼すう及びブロイラー前期のものを除く。)及びうずらに給与される配合飼料0.02 mg/kg、反すう動物(ほ乳期のものに限る。)、豚(ほ乳期のものに限る。)及び鶏(幼すう及びブロイラー前期のものに限る。)に給与される配合飼料0.01 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は82点実施し、とうもろこしから検出されており、最大値は0.008 mg/kg(米国産)であった。
2) デオキシニバレノール
配合飼料は37点実施し、最大値は肉牛繁殖用配合飼料 0.94mg/kgであり、 管理基準値(反すう動物(ほ乳期のものを除く。)に給与される配合飼料3 mg/kg、家畜(反すう動物(ほ乳期のものを除く。)を除く。)及び家きんに給与される飼料1 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は118点実施し、主にとうもろこし、その副産原料及びふすまから検出されており、最大値は、とうもろこし(0.68 mg/kg、米国産)、コーングルテンフィード(7.1 mg/kg、国産)、DDGS(3.7 mg/kg、米国産)、ふすま(0.26mg/kg、国産)であった。
3) ゼアラレノン
配合飼料は37点実施し、最大値は乳用牛飼育用配合飼料で0.28 mg/kgであり、管理基準値(家畜及び家きんに給与される配合飼料0.5 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は118点実施し、主にとうもろこし、その副産原料及びふすまから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.074 mg/kg、米国産)、コーングルテンフィード(1.6 mg/kg、中国産)、コーングルテンミール(0.86 mg/kg、国産)、DDGS(0.33 mg/kg、米国産)、ふすま(0.005mg/kg、国産、インドネシア産)であった。
4) フモニシン(B1+B2+B3)
配合飼料は38点実施し、最大値は乳用牛飼育用配合飼料で3.7 mg/kgであり、管理基準値(家畜及び家きんに給与される配合飼料4 mg/kg)を超えるものはなかった。
原料は52点実施し、とうもろこし及びその副産原料から検出されており、それらの最大値は、とうもろこし(2.2 mg/kg、米国産)、コーングルテンフィード(1.9 mg/kg、中国産)、コーングルテンミール(3.5 mg/kg、国産)であった。
2 重金属
有害物質の管理基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料、魚粉及び乾牧草のモニタリングを実施した。
1) カドミウム
配合飼料は14点実施し、管理基準が設定されている配合飼料における最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.18 mg/kgであり、管理基準値0.8 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等5点実施し、最大値は魚粉の1.1 mg/kg(国産)であり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
2) 鉛
配合飼料は14点実施し、管理基準が設定されている配合飼料における最大値は種豚飼育用配合飼料の0.8 mg/kgであり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等5点実施し、最大値は魚粉の1.6 mg/kg(国産)であり、 管理基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。
3) ひ素
配合飼料は14点実施し、管理基準が設定されている配合飼料における最大値は成鶏飼育用配合飼料の1.3 mg/kgであり、管理基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等5点実施し、最大値は魚粉の6.4 mg/kg(国産)であり、管理基準値15 mg/kgを超えるものはなかった。
4) 水銀
配合飼料は14点実施し、管理基準が設定されている配合飼料における最大値はほ乳期子牛育成用配合飼料の0.08 mg/kgであり、管理基準値0.2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等5点実施し、最大値は魚粉の1.2 mg/kg(国産)であり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
3 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む56成分についてモニタリングを実施した。そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
基準値を超えたものはなかった。また、基準が設定されていない成分については家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
配合飼料は55成分について実施し、検出された農薬は2成分2点であった。成分別の検出数(種類、最大値)は、ピリミホスメチル1点(肉用牛肥育用配合飼料、0.36 mg/kg)、マラチオン1点(肉用牛肥育用配合飼料、0.05 mg/kg)であった。
原料は、56成分について実施し、検出された農薬は3成分4点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、クロルピリホス1点(とうもろこし、ブラジル産、0.097 mg/kg)、ビフェントリン1点(チモシー、米国、0.78mg/kg)、ピリホスメチル2点(とうもろこし、ブラジル、0.2mg/kg)であった。
注
各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。
なお、成分ごとの検査件数、検出件数、最大値、平均値につきましては、こちらをご覧ください。
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/info/sub2.html