肥料等試験法(2018)
序
農林水産省が定めた「肥料分析法」は、肥料の主成分、有害成分等の評価方法として、日本における唯一の分析法として肥料の品質保全と安全性の確保に貢献してきました。しかしながら、「肥料分析法 1992年版」が発行されて以降は、新たな改訂版が発行されておりません。その間、公定規格への新たな肥料の種類や肥料成分の追加及び分析機器や分析技術が進歩してきていることから、肥料生産業者や検査指導機関など肥料関係各方面から「肥料分析法」の改定が望まれておりました。
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)は、肥料分析法を時代に即応した分析条件や分析方法等を導入したものに書き改めました。また、肥料分析法に掲載されていない新たな有効成分や有害成分と新規肥料等に対応できる分析方法や新たな分析機器の導入などの検討を試み、新規試験法を確立しました。その際ISO/IEC 17025の要求事項等に従い妥当性確認試験を実施し、得られた成績と新たな試験法について外部有識者を含む「肥料等技術検討会」で審議・承認されたものを、2008年に「肥料等試験法(2008)」としてFAMICホームページに掲載いたしました。その後、毎年追加・更新を行っています。本年度は、2017年度に新たに検討した肥料中の尿酸の高速液体クロマトグラフ法等を加え、「肥料等試験法(2018)」としてFAMICのホームページに掲載いたしました。
「肥料等試験法」は、使用する試薬、機器等をJIS規格等で規定し、IUPAC等のプロトコルを参照して試験法の妥当性を確認していることと、2010年8月に農林水産省から発行された「汚泥肥料中の重金属管理手引書」にも妥当性が確認された分析法として記載されていることから、肥料等の品質管理・分析業務に携わる方々の実用書として活用していただければ幸いであります。
2018年6月
独立行政法人農林水産消費安全技術センター
理事長 木村 眞人
目次
- 1. 総則
1
5
6
1.3.1 試験室の技能評価6
1.3.2 試験結果の評価6
- 2. 試料の取扱い
7
8
9
2.3.1 予備乾燥10
2.3.2 縮分(分割)12
2.3.3 粉砕13
- 3. 一般項目
15
3.1.a 乾燥器による乾燥減量法15
3.1.b 水分計による乾燥減量法18
21
3.2.a 強熱残分法21
22
3.3.a ガラス電極法22
24
3.4.a 電気伝導率計による測定法24
26
3.5.a 乾式ふるい分け試験法26
28
3.6.a ジエチルエーテル抽出法28
- 4. 主成分、保証成分等
30
4.1.1 窒素全量30
4.1.1.a ケルダール法30
4.1.1.b 燃焼法36
4.1.1.c デバルダ合金-ケルダール法40
4.1.1.d 還元鉄-ケルダール法45
4.1.1.e アンモニア性窒素及び硝酸性窒素よりの算出51
4.1.2 アンモニア性窒素52
4.1.2.a 蒸留法52
4.1.2.b ホルムアルデヒド法58
4.1.3 硝酸性窒素63
4.1.3.a デバルダ合金-蒸留法63
4.1.3.b 還元鉄-蒸留法68
4.1.3.c フェノール硫酸法73
77
4.2.1 りん酸全量77
4.2.1.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法77
4.2.1.b キノリン重量法84
4.2.2 可溶性りん酸87
4.2.2.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法87
4.2.2.b キノリン重量法92
4.2.3 く溶性りん酸96
4.2.3.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法96
4.2.3.b バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法(亜りん酸又はその塩を含む肥料)101
4.2.3.c キノリン重量法107
4.2.3.d ICP発光分光分析法110
4.2.4 水溶性りん酸115
4.2.4.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法115
4.2.4.b バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法(亜りん酸又はその塩を含む肥料)122
4.2.4.c キノリン重量法128
4.2.4.d ICP発光分光分析法131
135
4.3.1 加里全量135
4.3.1.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法135
4.3.1.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法140
4.3.2 く溶性加里144
4.3.2.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法144
4.3.2.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法148
4.3.2.c テトラフェニルほう酸ナトリウム容量法151
4.3.2.d ICP発光分光分析法154
4.3.3 水溶性加里158
4.3.3.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法158
4.3.3.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法164
4.3.3.c テトラフェニルほう酸ナトリウム容量法168
4.3.3.d ICP発光分光分析法172
175
4.4.1 可溶性けい酸175
4.4.1.a ふっ化カリウム法175
4.4.1.b ふっ化カリウム法(シリカゲル肥料等)179
4.4.1.c ふっ化カリウム法(シリカゲル肥料を含む肥料)183
4.4.1.d 過塩素酸法188
4.4.2 水溶性けい酸191
4.4.2.a ふっ化カリウム法191
195
4.5.1 石灰全量195
4.5.1.a フレーム原子吸光法195
4.5.2 可溶性石灰200
4.5.2.a フレーム原子吸光法200
4.5.3 水溶性カルシウム203
4.5.3.a フレーム原子吸光法203
4.5.3.b ICP発光分光分析法206
4.5.4 アルカリ分209
4.5.4.a エチレンジアミン四酢酸塩法209
4.5.4.b 可溶性石灰及び可溶性苦土による算出215
216
4.6.1 苦土全量216
4.6.1.a フレーム原子吸光法216
4.6.2 可溶性苦土221
4.6.2.a フレーム原子吸光法221
4.6.3 く溶性苦土224
4.6.3.a フレーム原子吸光法224
4.6.3.b ICP発光分光分析法228
4.6.4 水溶性苦土232
4.6.4.a フレーム原子吸光法232
4.6.4.b ICP発光分光分析法235
238
4.7.1 可溶性マンガン238
4.7.1.a フレーム原子吸光法238
4.7.2 く溶性マンガン241
4.7.2.a フレーム原子吸光法241
4.7.2.b ICP発光分光分析法245
4.7.3 水溶性マンガン249
4.7.3.a フレーム原子吸光法249
4.7.3.b ICP発光分光分析法254
257
4.8.1 く溶性ほう素257
4.8.1.a アゾメチンH法257
4.8.1.b ICP発光分光分析法261
4.8.2 水溶性ほう素265
4.8.2.a アゾメチンH法265
4.8.2.b ICP発光分光分析法268
271
4.9.1 亜鉛全量271
4.9.1.a フレーム原子吸光法271
4.9.1.b ICP発光分光分析法275
4.9.2 水溶性亜鉛279
4.9.2.a フレーム原子吸光法279
4.9.2.b ICP発光分光分析法283
286
4.10.1 銅全量286
4.10.1.a フレーム原子吸光法286
4.10.1.b ICP発光分光分析法290
4.10.2 水溶性銅293
4.10.2.a フレーム原子吸光法293
4.10.2.b ICP発光分光分析法297
300
4.11.1 有機炭素300
4.11.1.a 二クロム酸酸化法300
4.11.1.b 燃焼法304
4.11.2 炭素窒素比308
4.11.2.a 有機炭素及び窒素全量による算出308
309
4.12.1 硫黄分全量309
4.12.1.a 過マンガン酸カリウム法309
4.12.1.b 塩化バリウム重量法311
4.12.1.c 透過光測定法316
320
4.13.1 水溶性鉄320
4.13.1.a フレーム原子吸光法320
4.13.1.b ICP発光分光分析法324
327
4.14.1 水溶性モリブデン327
4.14.1.a チオシアン酸ナトリウム吸光光度法327
4.14.1.b ICP発光分光分析法331
334
4.15.1 水溶性コバルト334
4.15.1.a フレーム原子吸光法334
4.13.1.b ICP発光分光分析法336
- 5. 有害成分
339
5.1.a 還元気化原子吸光法339
5.1.b 還元気化原子吸光法(液状の汚泥肥料)343
347
5.2.a 水素化物発生原子吸光法347
5.2.b ジエチルジチオカルバミン酸銀吸光光度法352
5.2.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)357
362
5.3.a フレーム原子吸光法362
5.3.b ICP発光分光分析法366
5.3.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)369
5.3.d ICP質量分析法373
377
5.4.a フレーム原子吸光法377
5.4.b ICP発光分光分析法381
5.4.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)384
388
5.5.a フレーム原子吸光法(有機物を含む肥料)388
5.5.b フレーム原子吸光法(熔融物、鉱さい等を主体とする肥料)392
5.5.c フレーム原子吸光法(有機物を含まない肥料)397
5.5.d ICP発光分光分析法403
5.5.e ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)406
410
5.6.a フレーム原子吸光法410
5.6.b ICP発光分光分析法414
5.6.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)417
421
5.7.a イオンクロマトグラフ法421
5.7.b 高速液体クロマトグラフ質量分析法425
431
5.8.a イオンクロマトグラフ法431
5.8.b 高速液体クロマトグラフ法435
441
5.9.a 高速液体クロマトグラフ法441
447
5.10.a 高速液体クロマトグラフ法447
452
5.11.a ICP発光分光分析法(1)452
5.11.b ICP発光分光分析法(2)456
459
- 6. その他の制限事項に係る試験
460
6.1.a 高速液体クロマトグラフ法(1)460
6.1.b 高速液体クロマトグラフ法(2)464
469
6.2.a イオンクロマトグラフ法469
6.2.b 硝酸銀法474
477
6.3.a ウレアーゼ法477
6.3.b 高速液体クロマトグラフ法485
6.3.c p-ジメチルアミノベンズアルデヒド吸光光度法491
494
6.4.a 高速液体クロマトグラフ法494
499
6.5.a 冷緩衝液法499
505
6.6.a 熱緩衝液法505
511
6.7.a 緩衝液法511
518
6.8.a 水中静置法518
520
6.9.a 重量法520
524
525
- 7. 硝酸化成抑制材
526
7.1.a 高速液体クロマトグラフ法526
530
7.2.a 高速液体クロマトグラフ法530
534
7.3.a 高速液体クロマトグラフ法534
537
7.4.a 高速液体クロマトグラフ法537
540
7.5.a 高速液体クロマトグラフ法540
545
7.6.a 高速液体クロマトグラフ法545
- 8. その他
549
8.1.a ガスクロマトグラフ質量分析法549
8.1.b 欠番555
8.1.c 高速液体クロマトグラフ法(有機物を含まない肥料)556
8.1.d 高速液体クロマトグラフ法(有機物を含む肥料)561
565
8.2.a 高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法(1:クロピラリド等3成分同時分析法)565
8.2.b 高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法 (2:微量クロピラリド試験法)572
581
8.3.1 残留農薬多成分分析(その1)581
8.3.1.a 高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法581
8.3.2 残留農薬多成分分析(その2)589
8.3.2.a ガスクロマトグラフ法589
596
8.4.a フレーム原子吸光法596
600
8.5.a 高速液体クロマトグラフ法600
605
8.6.a 高速液体クロマトグラフ法605
- 別添
609
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